■意外と重要なアトツギのパートナー
この話題は、私があまり得意な分野ではないものの、中小零細企業のアトツギのパートナーは意外と重要だなぁと40歳を過ぎてから思うようになってきました。
■経営者のパートナーとしての覚悟が必要
やはり、会社員と経営者では生き方が違ってきます。言い方を変えれば責任の大きさが違ってきます。アトツギも将来は経営者。ですので、やはり、経営者としての価値観、帝王学を学ぶことが必要です。そのパートナーとなると、やはり一心同体で、会社を背負っていく人のパートナーとなる覚悟が必要です。
会社にお金が足りないときは、場合によっては、社長個人の財布から会社に貸さないといけないときがあります。また、スタッフに緊急の何かがあったときに、家族の約束より優先しないといけません。
よく子供が生まれたら子供中心の生活に変わると言いますが、アトツギと結婚すると、やはり、会社を中心とした生活にパートナーは変わります。その時に、不満を持つようなパートナーだと、やはりなかなかアトツギのパートナーとして続けていくことが難しいでしょう。
今の時代、個人の自由が何よりも優先される時代です(善し悪しは別として)。しかし、個人の自由を犠牲にし、家族との約束を犠牲にし、会社を何より優先させる覚悟が持てなければ、アトツギだからと言って後を継ぐことはできないでしょう。後を継いだとしても、スタッフからアトツギは自分家族優先の人だから、と見られて、そっぽを向かれるようになってしまうでしょう。
そうなると、アトツギが代を継いだときに会社を経営していくことが難しくなってしまいます。
■価値の統一
アトツギの夫婦で必要なことは、何にお金を使うか、どのタイミングでどのくらいのお金を使うかと言うことがとても重要です。私はこれを価値の統一と呼んでいます。つまり、生きたお金の使い方と、死んだお金の使い方が理解できないといけません。
例えば、ちょっと無理してベンツを買ったとします。ベンツを買ったアトツギのことをスタッフや取引先はどう見るでしょうか?ベンツを販売している会社であれば周りも認めるでしょうけども、スタッフや取引先は、ああ、かっこつけのアトツギだなぁという目で見る人も中には出てきます。これだと、アトツギとして代を継いだときになかなかスタッフを束ねていくとが難しいでしょう。
生きたお金の使い方も事例を見てみましょう。悩みを抱えているスタッフがいたとします。そのスタッフと飲みに行き、居酒屋さんなどのお金を個人的に使ったとします。飲みに行ったスタッフは良い気分転換となり、次の日から元気に働いてくれるようになりました。これは生きたお金の使い方ですよね。
この様に、会社の経営者として新たな価値を生み出してくれるお金の使い方はアトツギとしてとても重要な価値観となります。この価値観が理解できなければ、なかなか会社の経営をしていくことは難しいでしょう、そのパートナーが理解してくれないと、会社を経営することが難しくなってしまいます。
■よくよく考えて結婚しなければならない
恋は盲目とよく言いますので、なかなか難しいですが、冷静にこの人と結婚して将来会社を発展させることができるだろうか?と、ちょっと上から目線になってはしまいますが、よく吟味する必要があります。アトツギは自分の人生だけを背負うのではありません。自分の家族だけを背負うのではありません。会社のスタッフの生活を背負わなければならないのです。
少し時代が古い考え方かもしれませんが、しかし、それぐらいの責任と覚悟を持って、会社を経営しなければ、スタッフはついてきてくれません。今の時代、簡単に情報を検索でき、簡単に転職できる時代です。
昔よりも尚更、この人について行きたいと思われるアトツギであることが重要なのかもしれません。