2022.03.15

スタッフは全員社長を見て仕事してる

■スタッフは全員社長を見て仕事してる


私も経験がありますが、2代目のあなたのことを見て仕事してる人は、2代目が社長になるまでは基本的に「いない」と思ってまちがいありません。
そりゃそうですよね。自分の給料上げるには、偉くなるには、その決定権を持ってる先代である現社長(以下、社長)に気に入られなければならないんですから。

大企業なら人事部とかあって人事部長が権限持ってたりするでしょうけど、中小企業においては仮に人事部があっても実際は鶴の一声、社長の一声でどうにでもなるというのがセオリーだと思います。
そうなると、今いるスタッフは全員、社長を見て仕事してると言っても過言ではありません。

■2代目は手柄は全て社長のものになる

少し話しが変わりますが、私が2代目として会社に入りたての頃、若かったこともあり手柄がほしくて、一生懸命仕事を頑張ってました。経営コンサルタントの会社でしたので、顧問先の会社やお店の業績が上向くことが私のミッションでした。
自分で言うのもなんですが、本当に勉強したし寝る時間を惜しんで顧問先の業績を上げる方法を考え、データを分析し、顧問先のスタッフがやる気を出して動いてもらうためにはどうしたら良いかを考え抜き、コンサルをしておりました。


顧問先のスタッフの方も一生懸命頑張ってくれたお陰で、私がメインで受け持っていた顧問先はほぼ全て業績が上向きました。

週に1度、社内で顧問先の業績向上のための施策を検討する会議があるのですが、私が自慢気に顧問先の業績とその施策を報告させていただきました。
私が報告が終わると、私が担当しているエリアとは別のエリアのリーダーが、「会長(※)はやっぱすごいよねぇ。現場にいなくても良く現場のことが分かってるんだもん」と、発言したんです。

私は、頭を金属バットで殴られた思いでした。この顧問先は、会長は一切関わっておらず、私自身が血のにじむ思いで取り組んだ結果、顧問先の業績が向上したという自負があったからでした。
それからも私が結果を出すと、必ず、会長の手柄になり、私の手柄になることはありませんでした。
元々、社会的承認の欲求が比較的強かった私は、納得がいかず、いつからか上司や先輩の言うことも聞かなくなり、孤立していくことになりました。

■2代目は、徳川家康になれ!

昔、先代の父から2代目・後継者は徳川家康になれ!と、言われたことがあります。当時は、意味が分からず、ピンときていませんでした。しかし、今ならはっきり言えます。2代目・後継者は、徳川家康になれ!と。

これはどういう意味かというと、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と比べたときに、家康は我慢に我慢を重ね、自分の小さな手柄は基本的には考えず、最終的に天下統一という大きな手柄をとる、という意味だと私は思うようになりました。

つまりは、2代目・後継者は最終的には、最高経営責任者になれる可能性が高いわけで、最終的に会社を成長させていくことが自分の手柄になっていくわけです。
そう考えると、小さな手柄にこだわる必要は無く、会社を成長させるという大手柄を掴めば良い!そういう意味だど思うわけです。

従って、他のスタッフが先代を見て動いているのは当たり前の話しで、2代目・後継者の手柄は認めてもらえないのが当たり前。だって、2代目・後継者が最高経営責任者になったときに、会社を成長させることでとても大きな手柄を2代目・後継者が得ることができるから!と。

なかなか若い頃はそう思うのは難しいですけどね・・・(笑)
この話は、また改めてどこかで深く掘り下げて話をしたいと思いますが、今日は、この辺までとしましょう。


※先代の父は私が入社時点で既に会長に就任にしており、社長は会長の弟が就任していました。